HOYA
メガネのはなし
子どものメガネの選び方
子どもの視力低下による影響
 子どもの視力低下が見受けられたら放置せず適切に対処しましょう。
成長過程の子どもの目は勉強や運動など様々な環境に合わせる必要があります。
■視力低下の場合、まずは眼科に
 一般的に、学校の視力検査ではABCDの4段階で視力を評価します。
 A 視力1.0以上
 B 視力0.9〜0.7
 C 視力0.6〜0.3
 D 視力0.2以下
 子どもの視力がB以下であった場合、眼科を受診するのが適切です。理由は大きく分けて2つあります。
 1つめは、視力低下の理由を診断してもらうためです。遠視があればB判定でも近くはそれほど見えていない可能性があります。また、目の病気が原因で視力が低下しているケースもあります。
 2つめは、きちんと検眼して必要に応じて矯正度数を決定してもらうためです。メガネが必要な視力の目安は一般的に0.7以下とされていますが、子どもの生活環境や目の状態によって、適切な度数は変わります。
■視力不良を放置した場合の子どもの目への影響
 よく見えない状態のままでいると目に負担をかけ続けることになります。また、勉強や運動をするうえでも視力は必要不可欠。よく見えないままでは、能力を充分に発揮できません。
 メガネの役割は視力矯正です。メガネによって視力を補うことで、目への余分な負担を減らし、目を守ります。子どもの目の発育のためにも、心身の発達のためにも、目の状態と生活環境に合わせた「適切な矯正」をすることが大切です。
■眼科で行う検査
 眼科では視力検査の他に眼に病気を持っていないか、両目を使って見ているか、また、目がしっかりと正面を見ているか目の位置(眼位)の確認をします。
最近ではスマホの普及とともに眼が内側に寄ってしまう、スマホ内斜視と呼ばれる急性内斜視が増えています。急性内斜視を放置すると、目が内側に寄ったままになってしまい、遠くのものを見ようとすると2重に見えるといった不具合が生じます。
 検査を通して、メガネが必要だと判断された場合は処方箋が発行されます。処方箋の数値に合わせてメガネを作るため、大切に保管しましょう。
◆正常な目
◆内斜視
(左目が内側にずれている)
◆外斜視
(左目が外側にずれている)
子どものメガネ選びのポイント

 子どものメガネは選ぶ段階だけではなくアフターフォローも重要です。
メガネの選び方から、生活習慣まで気をつけるべき点をお伝えします。
■どんなメガネを買うと良いのか
 子どものメガネ選びの1番のポイントは、顔のサイズに合ったものを選ぶことです。顔の幅だけでなく、テンプルの長さもよくチェックして選びましょう。
また、子ども自身が気に入ったデザインのものを選ぶことも大切です。メガネに慣れるまでは、戸惑うこともあるかもしれませんが、子ども本人が納得して選んだメガネならすすんでかけてくれるはずです。
 スポーツや学校生活などアクティブに動く子どもは、大人に比べるとメガネが壊れやすいものです。耐久性なども考慮してメガネを選ぶといいでしょう。スポーツ時はゴーグルタイプのフレームと耐久性のよりよいメガネレンズの使い分けを選択肢の一つとして検討してもいいでしょう。
■買った後の注意
 大人とは違い、子どもは眼の状態や視力も変化しやすく、メガネのトラブルも多いでしょう。度数の変化はもちろん、レンズがキズついたり、フレームが歪んだままかけ続けることがないよう注意しなければいけません。これらのことから、メガネを購入する時だけでなく、アフターフォローの相談がしっかりできるメガネ店を選ぶのがいいでしょう。
■子どもの視力不良はそのままにしないで対策を
 テレビを見る時近づいて見たり、本を近づけて読んだり、目を細めて見ているようであれば注意が必要です。早めに眼科を受診して視力チェックを受けるようにしてください。
最近は近視予防の観点から、屋外活動を増やすことが望まれています。目安としては1日2時間以上といわれており、近視進行予防の他、心身の健康の為にも屋外活動時間を意識してみてはいかがでしょうか。
■コンタクトではなくメガネからスタートする理由
 メガネは顔の印象を変えてしまったり、顔の上に乗ることからメガネの装用を嫌がる子どもがいます。思春期の頃になると、より嫌がる傾向があるように見受けられます。しかしコンタクトレンズは、目に直接触れる視力補正用具のため、衛生管理が非常に重要です。レンズ洗浄や、手を洗わないままコンタクトレンズの装脱着を行うと眼の感染症の原因となったりします。その点、メガネは直接目に触れることなく使用できるため、眼病に対する影響は少ないと言えます。子ども自身が、しっかりとコンタクトの洗浄、衛生管理が出来るまでは、メガネを使用した方がいいでしょう。
●教えてくれたのは…
大阪大学名誉教授(医学部眼科)
特任教授 不二門 尚 先生
小児眼科、弱視斜視、眼光学、ロービジョンなどを専門とする他、一般眼科にも取り組んでいる。



【参照】ぼくの、わたしの、メガネ
   まず、眼科検診で。
http://xn--kck1ac0loa1e.net/megane/qr/kodomo/2023-02/