2019年11月28日
岩手日報 4面
本県 温室ガスゼロ目標
知事「50年までに」災害踏まえ対策に本腰
 達増知事は27日、本県の温室効果ガスの排出量について「2050年までに実質ゼロ」を目指すと表明した。相次ぐ大規模災害を踏まえ、地球温暖化対策に本腰を入れる。今後策定する県環境基本計画(21~30年度)に位置づけて具体策を推進するが、現状は年1千万トンを超えており、達成のハードルは高い。
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 県によると、実質ゼロ目標は東京都や大阪府、山梨県、徳島県で設定しているが、東北では初めて。具体策はこれからだが、省エネやエコドライブ、再生可能エネルギー、化石燃料に代わる水素活用の普及や森林整備による吸収強化などを想定する。
 本県における16年度の温室効果ガス排出量は1397万2千トンで、森林吸収分などを考慮しても1267万5千トン。県によると、近年は震災の復興需要などで排出量が高水準にある。
 日本政府は温暖化対策の枠組み「パリ協定」で50年に80%削減を掲げている。来月にはスペインで気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)があり、各国の対応が注目される。
 達増知事は27日の記者会見で「地方自治体から温室効果ガスの排出削減に向けたメッセージ発信はパリ協定の目標達成に地域から貢献する観点からも重要だ」と強調した。
 笹尾俊明岩手大人文社会科学部教授(環境経済論)は「国の『50年までに80%削減』を上回り、野心的だ。省エネや節電など従来の対策の延長線上だけでは達成できない。低炭素技術の積極導入や県民の意識と行動を大幅に変える取り組みが求められる」と指摘する。

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