2020-03-28
岩手日報26面
普代村CO2吸収量を販売
横浜市制度に参加へ
養殖ワカメ・コンブから換算
 普代村は同村で養殖するワカメ・コンブが吸収する温室効果ガスの二酸化炭素(CO2)の吸収量を販売し、企業や団体が買い取る横浜市の排出権取引制度に参入する。深刻化する気候変動に対応した取り組みで、収益は同村の養殖漁業の活性化や海づくりに役立てる。横浜市の制度に参加するのは全国2自治体目。持続可能な地域、地球づくりのための挑戦が始まる。
 同村が参加するのは同市独自の「横浜市ブルーカーボン・オフセット」。ブルーカーボンは海藻など海の生態系がCO2を吸収し、海中に炭素を蓄積することを指す。吸収源としては森林の「グリーンカーボン」が主流だったが、ブルーも近年注目を集めている。
 独自制度では、同村の養殖ワカメ・コンブの水揚げ高から算出された二酸化炭素の吸収・固定量を基に同市が「ブルーカーボンクレジット」を発行。クレジットを買い取った企業や団体は社会的責任(CSR)活動などの広報に活用し、売り上げは同村に入る。
 発行されるクレジットはCO2吸収・固定量1トン当たり8千円(税抜き)。同村の昨年の養殖ワカメ・コンブの水揚げを換算するとCO22吸収量は58トンで、全て買い取りが成立すれば計46万4千円(同)が村に支払われる。収益は養殖漁業活性化や海づくり少年団育成、地球温暖化対策などに使われる。
 同村は昨年、県北や東北地方のH市町村とともに横浜市と再生可能エネルギーの活用に関する連携協定を締結。今回の参加は取り組みの一環となる。
ブルーカーボン・オフセット制度の仕組み
普代村

養殖ワカメ・コンブで吸収・固定分の二酸化炭素量を申請

横浜市

ブルーカーボン・クレジットを発行

民間企業
(環境にやさしい企業活動を周知)

クレジット購入代金

普代村
(収益を村の養殖漁業活性や温暖化対策に活用)
カーボン・オフセット
 削減が難しい温室効果ガス排出を自然エネルギー利用や森林保護など別の場所で実施された削減事業に資金を提供することで埋め合わせる仕組み。削減側は資金面の支援による活性化、企業など購入側は企業価値向上をPRする利点がある。炭素(カーボン)を相殺(オフセット)するとの意味。