令和2年10月27日
岩手日報1面
「温室ガス50年にゼロ」
菅首相が所信表明
 第203臨時国会が26日召集され、菅義偉首相は就任後初めての所信表明演説を衆院本会議で行った。
2050年に国内の温室効果ガス排出を実質ゼロにすると宣言。行政の縦割りや既得権益を打破し、規制改革を全力で進めると表明した。行政のデジタル化を推進し、司令塔となるデジタル庁を来年設立する準備を加速。日本学術会議の会員任命拒否問題には触れなかった。野党は任命拒否に照準を合わせ、政権の姿勢を徹底追及する。
 衆参両院で演説に対する各党代表質問を28~30日に実施。予算委員会は衆院で11月2、4両日、参院で5、6両日に開く方向で調整する。会期は12月5日までの41日間で、政府は提出予定の法案・条約を10本に絞った。
 首相は演説で、来夏に延期された東京五輪・パラリンピックに関し、新型コロナウイルスに打ち勝った証しとして開催する決意を訴えた。不妊治療の保険適用実現を約束。携帯電話料金の引き下げなどの改革を急ぎ「国民のために働く内閣」として新しい時代をつくると強調した。
 コロナについて「爆発的感染は絶対に防ぎ、国民の命と健康を守り抜く」と誓った。ワクチンは来年前半までに全国民に提供できる数量を確保。オンライン診療の恒久化、サプライチェーン(部品の供給・調達網)の多元化を図るとした。
 成長戦略の柱に、経済と環境を好循環させる「グリーン社会の実現」を掲げた。温暖化對策によって産業構造や経済社会を変革させ、成長につなげる発想の転換を呼び掛けた。
 「活力ある地方」に向け、観光や農業改革によって地方への人の流れをつくり所得を増やすと明言した。観光需要を回復させる政策プランを年内に策定。東日本大震災からの復興・再生に一層のスピード感を持って取り組むと決意表明した。
 北朝鮮による日本人拉致問題を政権の最重要課題と位置付け、金正恩朝鮮労働党委員長と「直接向き合う」と安倍政権の路線継承を打ち出した。日米同盟の抑止力を維持しつつ、沖縄の基地負担軽減に取り組むとした。
 憲法改正は「最終的に決めるのは国民」として目標時期は示さず、国会での議論に期待した。