令和2年11月21日
岩手日報6面
バイデン氏、再エネにかじ
政策転換に産油国警戒
【ワシントン、ロンドン共同】
 米大統領選で勝利を確実にした民主党のバイデン前副大統領は、脱石油を進め、再生可能エネルギーの導入にかじを切る方針だ。石油業界を重視し、環境規制を緩めてきたトランプ政権から大きく政策転換する。サウジアラビアなど主要産油国との関係が変化する可能性もあり、各国は警戒感を強めている。
 「石油業界からの移行を促す」。バイデン氏は先月22日、大統領選を争うトランプ大統領との候補者討論会で宣言した。大統領への就任直後には、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」に復帰する見込みだ。
 脱炭素社会の実現とインフラ整備に4年間で2兆㌦(約208兆円)を投資し、2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロの目標を掲げる。連邦政府の所有地で新たな石油・天然ガス掘削を認めず、石油業界への補助金を風力や太陽光向けに切り替える考えもこれまで示してきた。
 ただ大統領選は予想よりも接戦となり、議会対策にも苦慮しそうだ。どこまで思い切って動けるかは不透明な面もある。
 バイデン氏の大統領就任は、米国と巨大産油国であるサウジアラビアやロシアとの関係に影響しそうだ。新型コロナウイルス流行以降、原油価格シタ支えのために生産抑制でトランプ政権と緊密に連携してきたサウジのイエメン内戦介入に、バイデン氏は反対の姿勢だ。石油輸出国機構(OPEC)と協調減産を手掛けるロシアについても「安全保障上最大の脅威」と非難している。
 またサウジと敵対するイランを巡り、トランプ政権が離脱した核合意に、バイデン氏は条件付きで復帰する意向を表明。イランは制裁緩和が実現すれば石油の増産に踏み切るとみられる。
 こうしたことから、OPEC関係者の間では「産油国の協力関係に亀裂が入り、供給過剰に陥るのではないか」といった懸念が広がっている。