令和2年12月16日
岩手日報 5面
洋上風力 原発45基分に
官民協議会
40年目標、再エネ拡大
 経済産業省と国土交通省は15日に洋上風力発電の官民協議会を開き、2040年の発電能力を最大4500万㌔㍗とする目標を決めた。再生可能エネルギーの柱として原発45基相当の規模にする。政府が各地の適地選定の手続きや送電網確保を主導するほか。技術開発や産業育成も支援し、火力を下回る発電コストを実現する。50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素目標の達成に弾みを付ける。
 協議会がまとめた報告書 「洋上風力産業ビジョン」に盛り込んだ。現在の洋上風力の発電能力は2万㌔㍗ほどで30年までに1千万㌔㍗、40年までに3千万~4500万㌔㍗に増やし、欧州連合(EU)、中国に続く世界3位の大きさにする。報告書の内容は脱炭素社会実現に向け政府が年内にまとめる実行計画に反映する。
 洋上風力は陸上と違って風が安定して吹き、海に囲まれた日本では適地が多いと期待されている。地域別の40年の発電能力では目安を作成し、北海道電力管内が最大1465万㌔㍗とトップになった。九州電力管内が1190万㌔㍗、東北電力管内が900万㌔㍗と続いた。
 発電コストは風車の土台を海底に固定する「着床式」で、30~35年までに1㌔㍗時当たり8~9円と現在の火力発電よりも安くする。海に浮かべる「浮体式」の商用化に向けた技術開発を促進し、将来の市場拡大が見込まれるアジアへの事業展開を目指す。
 企業の参入を容易にするため、風の吹き方や海底の地質の調査、漁業者との調整を政府主導で行う仕組みを構築する。21年度に実証事業を始める。都市部の電力消費地へ送電する上で、交流より効率が良いとされる直流送電の導入を検討する。
 部品などの国内調達比率を40年に60%とする目標も定めた。風車を構成する機器や部品は数万点に及ぶが、国内には洋上風力のメーカーは育っていない。補助金や税制で設備投資を後押しし、経済成長や雇用の増加につなげる考えだ。
 梶山弘志経産相は会議で「洋上風力を次世代産業とする」と指摘。赤羽一嘉国交相は「各地の自治体や経済界の関心も高まっている」と語った。