毎日新聞
2020/12/19
洋上風力発電「競争力ある国産製品を」 東芝・車谷社長、再エネ事業に本腰
 東芝の車谷暢昭社長は、オンラインで毎日新聞のインタビューに応じ、洋上風力発電への参入に強い意欲を示した。政府が公募中の案件で、「(発電に使う)風車で(事業の)権利を取りたい」と語った。東芝は再生可能エネルギー関連の売上高を、2030年度に19年度比3・4倍の6500億円にする目標を掲げている。国が将来の主要燃料と位置づける水素関連のビジネスにも力を入れる方針だ。
――再エネ事業強化の一環で11月に洋上風力への参入を表明しました。
◆秋田、千葉両県の海域で事業者選定の公募が始まった。風車の部品について開発の権利を取りたい。既に商社や電力会社など主な事業者が名乗りを上げており、我々も投資を進めたい。
――風車は海外メーカーがリードしています。
◆国産の競争力のある製品を作っていきたい。公募期間に間に合うように21年度上期の早い段階で事業を開始したい。ノウハウがある外国企業との部分的な協業も検討している。
――再エネ関連の売上高目標は具体的にどう達成しますか。
◆再エネの電気を安定的に供給するための送配電システムが売り上げの相当部分を占めることになるのではないか。燃料電池など水素発電の関連事業も含めて想定より大きなビジネスになる可能性がある。
――水素ビジネスで東芝の強みは。
◆燃料電池で既にトップレベルの技術を持っている。だが、現時点で数百億のビジネスを1000億円に成長させるのは簡単ではない。多少コストがかかっても開発を支援してくれるような政策転換が必要で、政府と議論をしていかなくてはならない。米国や欧州などで水素関連企業の上場が相次いでいる。売上高100億円程度の企業でも、時価総額が1兆円に上るケースもある。市場は過熱気味だが、それだけ将来性があるということだ。水素がクリーンエネルギーの本命と言えないこともない。【聞き手・加藤美穂子】