令和2年12月24日
岩手日報 1面
釜石沖・波力発電の装置開発/久慈沖・洋上風力の適地調査
国事業に採択へ
本年度開始
 釜石市沖での波力発電の研究開発と、久鉉市沖でのwatto洋上風力発電導入に向けた適地の詳細調査が、国の事業採択を受ける見通しとなったことが23日、関係者への取材で分かった。ともに好条件を生かし本年度から事業スタートする。本県は再生可能エネルギー(再エネ)による電力自給率向上に力を入れており、再エネ導入の加速化、関連産業の発展に期待が膨らみそうだ。

 関係者によると、釜石では打ち寄せる波によって生じる空気の流れを用い、タービンを回転させて発電する装置の研究開発に着手する。地元の民間企業が事業主体となって設計から組み立て、設置と進み、実験を重ねるとみられる。
 釜石沖は2015年に洋上風力、波力における海洋再生可能エネルギー実証フイールドとして東北で初めて選定された。
▽試験場の沖合 ▽小規模試験に対応する湾口 ▽機器組み立てや動作確認に対応する湾内-の3エリアがそろい、これまでに釜石・大槌地域産業育成センターや東京大、地元企業などが波の上下動を利用した発電の研究を展開している。
 久慈沖の年間平均風速は、浮体式洋上風力発電の採算が得られるとされる秒速7.5㍍以上の範囲が広く分布する。久慈市は18年度に洋上風力発電ゾーニング協議会を立ち上げ、本年度まで基礎調査を実施。年度内にゾーニングマップを完成させる。23年度にかけて本格調査した上で、将来的な企業誘致を目指す。調査の事業費は約3億円と見込む。
 市は県北8市町村と50年までの「二酸化炭素排出量実質ゼロ」を共同宣言。同年までに市有施設の電力を全て再エネで賄う方針を掲げ、市出資の地域電力会社と連携したエネルギーの地産地消も進めており、脱炭素化の取り組みに追い風となりそうだ。
 県の次期地球温暖化対策実行計画(21~30年度)素案では、再エネによる電力自給率をさらに高める方針。発電目標値は19年度実績の29億2200万㌗(自給率34.4%)に対し、中間年の25年度に44億8800万㌗(同53%)、30年度が54億1900万㌗(同65%)としている。