いじめから我が子を守る
いじめるな(盛岡タイムス掲載版)
~親、学校への提言⑤~ PC 音声
 № 5
気づいていて、なぜ、教師は何もできなかったのか?
 仮に、担任がいじめに気づいていても何もできない場合もあるのです。
「そんなばかな。」「それでも教師か。」「ふざけるな。」という声が聞こえてきそうです。でも、本当なのです。次のような事情です。
 いじめは、人間関係の良好な、いわゆる良いクラスに生じることはほとんどありません。あったとしても、クラスメイトあるいは担任が気づき、生徒同士で解決したり教師の指導により解決したりします。つまり、発見が早く対応が早いために大事にいたることは、ほとんどありません。
 いじめが生まれ最悪のケースが起きるクラスは、ほとんどの場合は、人間関係がうまくいかず学級として崩れかけているクラスか、学級崩壊しているクラスです。
 学級として崩れかけているクラスとは、教師の正当な指導が入りにくいクラス、正義の通りにくいクラスのことです。教師は、当然、良いクラスをつくろうと担任したときから努力するわけですが、様々な事情からうまくいかないこともあるのです。学級として崩れかけているクラス、学級崩壊したクラスは、いわば、無法地帯に近い状態なのです。そして、学級崩壊は、中学校、高校だけの問題ではありません。小学一年生のクラスでも同様のことが起こる場合があります。十年ほど前、小一プロブレムとして全国的に大きく問題になったことをご記憶の方も少なくないでしょう。
学級がこのような状態になった場合、たとえいじめを発見したとしても担任教師一人ではなんともできないのが実情です。教師は、日常のトラブルの解決に追われ、学級の秩序を保つことで精一杯の状態になります。別の見方をすれば、「教師自身がクラスの生徒集団から毎日いじめを受けている」ような状態でもあるのです。「教師の話を無視する。」、「暴言をはく。」、ひどい場合は、「殴る、蹴る。」このようなことまで起こるのです。
これらのことから精神疾患になる教師が年々増え続けているのも事実です。教師自身が不登校になり病気になり自殺しているのです。 
 学級がこのような状態になった場合、学年、あるいは学校組織として、支援体制を組み、全教職員が協働して解決にあたります。それが、学校組織です。
 しかし、学校が組織としての力を発揮できない場合もあるのです。
この学校組織の在り方が、現在大きく指摘されている問題と言えます。(つづく)


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